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この「生きる力を育む教育」は、東北芸術工科大学の有賀三夏先生と日本SEL推進協会理事であり世界のSELをリードする米国NPOシックスセカンズのファシリテーターである三森朋宏が手を組み多重知能理論や社会性と情動スキルの教育をベースに地域の自然豊富な特徴を生かし、主体的で対話的で深い学びによってSDGsにも繋がるこれからの社会をリードする子どもを育てる教育です。
山形県は東北6県の一つで日本海側の県です。
鶴岡市は日本海に面し日本で唯一「ユネスコ世界食文化都市」に認定されている地域固有種の食材を豊富に持つ市です。その中でも温海地区は新潟県との県境にあり、海、山、川が揃う自然豊かな場所で「あつみ赤かぶ」や「あつみ杉」など300年以上の歴史を持つ産業が続いていたり、日本最古の織物の一つである「しな織」を現代に伝える古(いにしえ)の文化を今に残す貴重な地域でもあります。
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持続可能な人と自然による循環があります。あつみ杉の間伐、焼畑による赤かぶ、急斜面がありながら土砂崩れなどの災害は少なく、山と川が健全であるので、豊富なミネラルが海を豊かにします。
豊富な自然と人がバランスを保ち、持続可能な好循環を今に伝える古(いにしえ)の知恵が生きている場所は、これからの社会をより良くする未来のリーダーを育成する舞台として最適と考えられ、まさに温故知新の教育の実現に向けた活動が行われいます。
広い空、青い海、緑深い山々、清らかな川の流れに囲まれて過ごしているためか、保育士先生は心身ともにエネレギー量が高くおおらかで、保護者も「汚れる、濡れる、スリ傷」は当たり前と理解があるため、子どもたちが自然を活かした経験から多くを学ぶ教育に最適な環境と言えます。
「生きる力を育む教育」は、コロナ禍による緊急事態宣言発令の影響により、オンラインを使い主旨や意図を伝えたり、取り組みにあたって保育士先生が抱える不安や疑問を共有するセミナーから2020年7月にスタートしました(本ページ下部「広報つるおか温海版」参照)。
コロナ感染拡大が一時的に落ち着いた2020年10月、
・有賀先生と三森が各保育園の現状や環境を理解すること
・プロジェクトを共に進める仲間として保育士先生と心理的な距離を近づけること
・保育士先生が自分たちの恵まれた環境を再認識し保育士先生同士が改めてお互いの認識を理解すること
を目的として「レゴ®シリアスプレイ®メソッドと教材を活用したワークショップ」を研修として開催しました。
このワークショップでは、お題に対して頭の中にあるイメージを子どもから大人まで自由に創作ができる専用教材(レゴ®︎ブロック)を使い立体作品として表現します。その作品を使って丁寧に1人づつ頭の中のイメージを言葉にしていき、お互いの考えを共有します。
この研修を通じて保育士先生、栄養士先生、保育園の事務方、自治体職員、私たちの参加者全員が保育園の置かれた環境価値、現在の取り組みの価値、現状の課題を共有することができました。
共有された価値、取り組み、課題の一例として
・山野に囲まれ車の通りが少なく安全な環境を生かした保育ができる
・漁港からわずか5分の立地を活かし漁船に乗る経験、イカを触って調べてイカ祭りをする
・探検隊と称して子どもが主体的に地元を歩いて回り地元を知る取り組みをしている
・周囲が幹線道路に囲まれて自然はあるが活用が難しく特色ある保育の実現に課題を感じる
・食育を積極的に取り入れたい
などポジティブ、ネガティブに関係なく多くを共有できました。
この研修は、本活動を進める上で大きく強い土台を作ることになったと、あとになって感じる経験でした。
あつみ地区保育園を運営する社会福祉法人あつみ福祉会のアーカイブはこちら
次に行われたのは、同じく2020年10月後半に保育現場において
山野に囲まれた4保育園の一つ福栄保育園で保育士先生のアイデアと多重知能理論や芸術思考を組み合わせたワークショップが行われました。
保育士先生のアイデアと私たちのアイデアを掛け算することでどのような学びをつくり出すことができるか? 実験的な取り組みでもありました。
ワークショップでは、福栄保育園の裏山を探索しながら、秋ならではのたくさんの木の実や落ち葉などを採取、採取したものと手芸資材を使い「森の妖精」を子どもたちが思い思いに作りました。創作活動中は先生は見守り、子どもが主体となって進め、子どもが必要としたときだけ先生が手伝ったり子どもたちが実現したいことへ知恵を貸したりしました。
こちらのあつみ地区保育園を運営する社会福祉法人あつみ福祉会のアーカイブはこちら
2020年は「生きる力を育む教育」を推進する土台づくりとして保育士先生をはじめとする現場スタッフの皆さんと有賀先生と三森の意識共有、子どもたちの経験を主体的で対話的で深い学びへ導く教育の方向性と可能性を体感することで共通理解を導くことができました。
2021年度の取り組みは、この5月から新たなステージがスタートしています。 その取り組みについては別の機会にお伝えしたいと思いますが、地元メディアからも注目されはじめ関ていたり、今年度は多重知能理論(MI)、社会性と情動スキルの学習(SEL)にさらに踏み込み、日常保育における知能発達や教育的効果について保育士先生をはじめとするスタッフの皆さんと研修や、児童が減ったことで残念ながら2021年4月から閉園中の福栄保育園の豊富な自然環境を利用した学びである「福栄の日」を通じて深めて行きます。
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